スロットとインデックス投資

雑記

緒言

 私は初期研修医時代にメンタルを病んでしまい、一度転職を経験している。職場の移行期間は収入がなくなってしまった上に、保険料によって手取りがマイナスになってしまった。社会に出て3か月、当然貯金も十分にない。唐突の大ピンチである。そんな中、友人からのアドバイスもありスロットで小銭を稼ぐことを試みることになった。結果的に月10万円程稼ぎ、健康で文化的な最低限度の生活を死守することに成功した。その後数年は継続してプラス収支であったが、今はとあるキッカケで引退している。

 これを受けて、転職後にファイナンシャルプランナー(FP)3級を取得しインデックス投資を開始した。これ以上お金に不自由したくなかったからである。インデックス投資歴は4年程になるが、ここ最近スロットとインデックス投資攻略のメンタルが類似しているのではないかと考え始めた。しかし、圧倒的な相違点も存在する。ここでは自分の思考を整理しつつ、曲がりなりにも文字に起こしてみたいと思う。
 雑に書き留めるため、ファクトチェックが甘いことはご承知頂きたい。

収支を期待値に収束させることは平均値を得ることと相似である

 「本当にスロットで稼ぐことができるのか?」そんな声が聞こえてくる。答えは「自分の決めたルールに従って立ち回れば、ほぼ確実に勝つことができる」である。この理由をこれから紐解いていこう。

 ここに2種類のゲームAとBがあるとする。AかBを繰り返し行うことを考える。簡便的に参加料はなしとする。内容は以下の通りだ。
A:サイコロを1回振る。1~3であれば、出た目×1000円を支払う。4~6であれば、出た目×1000円を得る。
B:サイコロを1回振る。奇数であれば、出た目×1000円を支払う。偶数であれば、出た目×1000円を得る。
どちらのゲームをすべきか。そこで期待値を考える。
A:(1+2+3)/6×(-1000)+(4+5+6)/6×(+1000)= +1500
B:(1+3+5)/6×(-1000)+(2+4+6)/6×(+1000)= +500
よって、Aを繰り返し行う方が効率よくお金を増やすことができる。
 ここでのポイントは、Aを行う場合に1回毎に1500円得るわけではないことである。しかしながら、繰り返し行うことで1回当たり1500円得ることは可能である。出た目に応じて一定金額の支払いは発生するが、破産せずゲームに参加し続ける限り勝つ確率は十分に高いと考えられる。「十分に」という言い回しは曖昧な表現だが、ここでは統計学的有意に勝てるということを意識している。

 翻って、スロットはどうだろうか。スロットは機械なので、仮にメーカーの公表値通りに挙動をするのであれば、内部状況によっては明確に期待値がプラスな台が存在する。この台をホール内で見つけ打ち続けることが出来れば、収支はそれらの期待値の合計値に近づいていく。つまりは負けない。この立ち回りにおいては、好きな台を打つことは禁忌となり淡々とリールを回し続けることが要求される。買った負けたの感情は不要である。自分の決めた「幾ら以下の期待値(時給)と最大損失なら許容できる」というルールに沿って、自らも機械の様に振る舞わなければいけないのである。

スロットとインデックス投資

 インデックス投資が最適解の一つと言われる所以に、長期で運用していれば負ける確率は低いというものがある。あくまでも過去のデータから未来を予測したものに過ぎないが、S&P500を20-30年程度保有すれば元本割れの可能性が低くなるグラフも非常に有名である。これをスロットの攻略方法に置き換えれば、過去データから導き出された期待値に損益を収束させることと同義である、と私は考えている。つまり、スロットでは打つ台数をこなして解析から導かれた期待値に収支を収束させることに対して、インデックス投資では年月を重ねて過去のデータから導かれた平均年利に損益を収束させることが重要となるのである。
 一方で圧倒的相違点は、スロットの相手は機械なのに対しインデックス投資の相手は人であることだ。機械は解析結果通り以外の挙動は決して示さないが、過去からの直線上に未来があるとは限らないのである。もし結果の予測材料として、過去から導いたS&P500年利に関するデータがスロットの解析結果より信用に足るか、と訊かれたら私はNOと答える。それでもそのようなリスクを支払うからこそ、インデックス投資は相応のリターンがあって然るべきとも考えている。月並みだが、市場への入場料ぐらいと捉えておけば問題ない。
 ところで、ここでの真意はスロットとインデックス投資攻略に対する我々のメンタルは同じでなければならないことである。勝つために機械の様にスロットを打ち続ける姿勢は、機械の様にタイミングを計らずに積み立て投資をする姿勢と合致する。一時の買っている負けているといった感情は不要である。

 昨今の株価不調にも狼狽えずに積み立てを継続しようではないか。