軟骨(cartilage)の語源

医学/病理

軟骨のから揚げは自分で調理するに限る

私は時々軟骨のから揚げを食べるのだが、以前はコンビニでチルド商品を購入していた。50gちょっとで300円以上、割高感は否めない。
そんな中、普段行かない近くのスーパーで「若鶏の膝なんこつ」が生肉として並んでいるのを見つけた。100gで178円であった。早速購入し、塩コショウ多めで片栗粉を付けて揚げ焼きにすると、チルド商品よりもジューシーに仕上がった。何回か焼いている内に意外にも油はそんなに必要ないことが分かり、よりクセになった。

軟骨の揚げ焼き

Cartilageの語源を調べてみた

1. はじめに


この軟骨独特の楽しい食感に硝子軟骨しょうしなんこつ味を憶えた一方で、骨は“bone”に対し軟骨は“cartilage”と日本語と英語で全く対応していないことが不思議に思えた。
医学英語にはankylo-(曲がった)や-malac(軟らかい)といった接頭語や接尾語が使われることがあるが、これらを用いて“ankylobone存在しません”の様な単語になっても不自然ではないと感じたのだ。

2. cartilageはcratis(フェンス)に由来するらしい

Oxford English Dictionaryでcartilageを紐解いてみたところ、1541年には Robert Coplandが使用したと記載があり、同時にフランス語のcartilageに由来すると指摘されていた。実際にgoogle翻訳でフランス語-日本語モードにし、cartilageと入力したところ、「軟骨」と出力されて感動した。当然、英語-日本語モードでも結果は同様であった。
さらに、ONLINE ETYMOLOGY DICTIONALYでcartilageを検索してみると、フランス語のcartilageはラテン語の“cratis”(wickerwork)に由来する可能性があると述べられていた。googleでcratis(ラテン語)を検索してみると、「フェンス」と翻訳された。また、wickerworkは「枝編み細工」という意味である。これらから要するに、針金や枝の様な糸状のものを編み込んだイメージ(?)なのだろうと考察した。

3. 名は体を表す!?

実は軟骨基質は主にコラーゲンで構成され、硝子軟骨しょうしなんこつ弾性軟骨だんせいなんこつ線維軟骨せんいなんこつの3つに分類される。
私は病理医として、様々な臓器を顕微鏡を用いて観察することを仕事としている。当然、軟骨組織も例外ではない。顕微鏡を用いると、特に弾性軟骨や線維軟骨では背景に線維性基質が織りなす様子を観察することができる(しかし、若鶏の膝なんこつを構成する硝子軟骨の基質はガラスの様に無機質である。)これは膠原線維、糸状のものが編み込まれた様子とも合致する。事実、私はcartisと聞いた時、真っ先に軟骨の組織像が頭に浮かんだと同時にとても驚いた。
wikipediaによると、最古のルーペは13世紀、顕微鏡の原型は16世紀後半~17世紀前半に登場したらしい。cartisの命名はルーペや顕微鏡の発明と関係があるのだろうか。どこかで調べてみようと思う。

4. Reference