祖母の急逝とポエム
先日、祖母が89歳にて急逝した。最後に会ったのは数か月前で、一緒に鰻を食べにいったときと記憶している。当然のごとく、御馳走になった。直前まで健勝な様子だったため、文字通りの急逝であった。喪主である従兄は周りに支えてもらいながら葬儀を執り行っている様に見えたが、私自身も周囲の肩を借りながら葬儀に参列していた。
悲しみを無理に押し殺すことは全く必要ないが、ユーモラスに捉える方が乗り越えられやすい事象も存在するとも思われる。その中でも、遺品整理中に発見した祖母のポエムを取り上げたいと思う。解釈が分かれる題材だが、面白可笑しく読んだ方が祖母も笑顔になるだろう。親しみを持ってイジることで、私なりの感謝と愛情表現としたい。
「自信をもつ」

内容は上記の通りである。それでは精読させて頂こう。
・自信をもつ
良く見ると文頭に一文字分のスペースがあるため、内容というよりは表題と解釈する方が適切と思われる。正確には「自信をもつ」である。一般に自明なことは態々文章に起こさないことを考慮すると、何かに自信がなかったと捉えるのが自然だろう。その具体的内容がこれから書かれることが期待される。
・自分が世界で一番だ――
力強い言葉である。そして、心なしか一番だけやや大きく見える。エビデンスは当然なさそうだが、元々根拠がない方がより強い自信が得られるかもしれない。逆に元来根拠があった場合においても、その根拠が既に破綻している状況にも抗って自分自身を信じ抜くことが出来れば、より一層精力的に人生を謳歌できる筈である。
――は長音ではなくダッシュだと思われる。余韻や感情を表現しており、決して叫んでいる訳ではない点には注意したい。ところで、”世界で”は大きくでたものである。
・最高だと思ってブタイに立つ
気になるのはブタイが片仮名であることだろうか。Googleの変換機能を参考にすると、地名を除くと候補は、”舞台”か”部隊”だが、前者が適切だろう。とすると、おそらく何かの舞台(ステージ)に立つ際に書いたポエムの可能性がある。私の推察ではカラオケ大会の前だ。だが一方で、ステージ(stage)を局面と解釈すると、苦しい場面や過渡期を常に最高だと思って立ち向かおうとしている気骨のある文章にも見えてくる――
・目線はとおい前方にむけて背すじをのばし腰で歩く様に
まずは指示通りにしてみた。実際に誰もいない部屋で歩いてみると、確かに少し自信が湧いてくる様な気がした。今後落ち込んだ時に、”目線をとおい前方にむけて背すじをのばし腰で歩けば”、祖母から元気を貰えるだろう。
祖母が部屋の中を上記の様にウロウロしている姿を想像してみると、ちょっと面白い。
陳謝と感謝
まずは、イジったことを祖母に陳謝したい。本当にすみませんでした。
祖母とは当然私が生まれてからの長い付き合いであったが、思い返してみると、これといって何かしてあげられなかった様な気もしてくる。多少申し訳無さもあるが、それ以上に衷心より感謝申し上げたい気持ちの方が強い。祖母に直接お礼を示すことは出来なくなってしまったが、根性や人と人との和を大事にする祖母の生き方を私自身が示すことで、代えさせて頂きたいと思う。ちょっと上を目指して頑張ります。

